「御爺様、御婆様。わたくし民草を困らせる悪鬼羅刹共に御免あそばせ。させてきますわ」

ゴスロリ太郎権左衛門には御爺様、御婆様の気持ちが解らぬ。  何故斯様な名前を付けたのか。  御爺様曰く、ハイカラ。  御婆様曰く、漢らしくもゴスロリを着こなせる優美さを身に着けて欲しいと。  思考の落差。  御爺様の流行りに敏感な所は若々しくて好感も持てるのですが、それは横文字の印象に引っ張られただけではと邪推してしまいます。後、何かに付けてハイカラを理由にするのはおやめください。私の日傘をハイカラにしないでください。  御婆様の言いたい事はわかります。ハイカラ爺よりも私の事を考えて貰えて感動で涙が出そうです。桐箪笥の下から二段目にある物には幾度となくお世話になりました。ありがとうございます。ですが、どうやらセンスは壊滅的。もっと上手く丸め込んだ名前をつけられたのではと毎晩枕を濡らしております。  昔はゴスロリを着こなした御令嬢は老いてなおシックなゴス衣装に身を包む奇跡の存在。確かに違和を感じぬ着こなしは、この環境で育った弊害やもしれぬ。  それを差し引いても違和を減らしているのは、育ちの良さで殴りつける様な暴力的な程に物腰柔らかく丁寧な所作の為せる技。どこか儚い御婆様は廃退的な雰囲気を身に纏う。  今も昔も時代を切り開くハイカラ屯田兵を自称する御爺様は自分が何処の時代を生きているのかを理解できていない御様子。時代を切り開きすぎて次元を超えた感を否めない発言は、時に私の感性を刺激するから困り物。直接日光の当たらない部屋において、どうすればこうも輝いているのか。いつか訪ねた時に、蓄光と言う言葉を教えて頂きました。夜間は灯り代わりに便利ですが、仄白く発光する御爺様は正直恐ろしく感じます。  ハイカラ爺様の物理的に輝く綺羅びやかさは、儚いゴス婆様と並ぶと目眩を起こす程のコントラスト。人は自分の足りない物を埋めるように、自分から最も遠い遺伝子に惹かれるというが、これはどうだ。 遠いと言うか隔てられている。次元が違う。  ──あぁ、御爺様。2000年眼鏡がズレています。幾らハイカラの先陣を切りたいからと、一体何百年生きるおつもりですか? はい、何ですか? 合理性を求めたハイカラの極地は切支丹門松を柊で飾る? 御爺様の2000年眼鏡は今では無い遠い未来を見る為の物なのですか? 私には御爺様が何を見ておられるのかわかりません。私は未来では若者だった? それは何度も聞きましたよ、御爺様。  ──何でしょう、御婆様。ちょっと待って下さい、何故それをお持ちで? 落ち着いて下さい、裸眼でも文字を読めるアピールは不要です。え、私の桐箪笥の上から三段目の2段底を外した所に落ちていた? どうやら御婆様も少しおぼけあそばせているようで。待って、違うの!! それはおじいちゃんに似てるだけなの、キリストに似てるだけなのっ!! おばあちゃんの口から寝取られたなんて聞きたくなかったの……。  コホン、閑話休題。 「ですので、しばらくの間家を空けます。ご了承くださいませ」 「そうかい、家のことは心配せんでええ。ただ怪我だけはしないようにな、ゴスロリ」 「帰ってきたら続きを描いてね、権左衛門」 「ねぇ、何で太郎挟んだの? 私たまに二人がわかんない」 「だってなぁ、しずゑ?」 「そうよねぇ、光宙?」 「ゴスロリ権左衛門なんて、優美さを感じないわ」 「それに、ミドルネームはハイカラの証だぞ?」 「太郎を挟むと優美なの?」 「侘び寂びね。この太郎の一拍があるからこそ、ゴスロリと掛け離れた権左衛門が収まるのよ」 「ほんとに収まってる? はみ出てない? 私友達に長く省略されてもゴス太衛門だよ? 一般的な名前と比べて大分はみ出してるよ?」  エフン、閑話休題。  こうしてゴスロリ太郎権左衛門は鬼ヶ島を目指し旅に出るのでした。  ゴス婆様からは愛用の鞭を、ハイカラ爺様からはスタンガン+ソーラーチャージャーを譲り受けました。お腰に付けた鞭とスタンガン。光沢のある柔らかい生地の戦装束(ゴスロリ服)は深紅。戦装束を撫でる陽光に身を晒しながら、ふんわりとスカートの裾を翻す。日焼けをしては大変と、滑らかな手袋をつけた手で背負ったハイカラ日傘を開いて日陰を作る。  この時代において苗字がないのは珍しい事ではない。いつかハイカラ爺様が言っていた慣習、海外では名前が最初で出身地が最後に来ると言う雑学。私はどうやら権左衛門出身のゴスロリ太郎のようだ。下らないことを考えながら、時代も土地柄も無視をした格好で、ゴスロリ太郎は今日も陽気に畦道を闊歩する。 ◇  ──鬼ヶ島本土、鬼岩城目前。  ゴス太衛門は鬼ヶ島を駆け抜けた。目指す鬼岩城は何処からでも視認できる山の様な城。駆けるゴス太衛門に飛び掛かる小鬼達。充電の切れたスタンガンは捨て、ボロボロになった鞭は千切れた。残すはハイカラ日傘と己の肉体のみ。飛び掛かる鬼達を流れる様に、やり過ごす。  後ろから追い縋る鬼達には目もくれず辿り着いた朱色の城門は、ゴス太衛門が潜り抜けると同時に固く閉ざされた。見えない何かで閉じられた城門は、追い縋る鬼を無情にも押し潰す。鬼岩城を目前に、ゴス太衛門は立ち止まり息を整えた。  城壁に囲まれた広場は、これまで駆け抜けた鬼ヶ島の中で最も静かで綺麗な場所だった。  高い城壁に囲まれて外からは気付けなかったが、左右の白い城壁の前には等間隔に五本ずつ桜が枝を揺らしている。篝火に照らされる桜並木の先には鬼岩城。ゴス太衛門は足を一歩踏み出した。  ──ぽん。  小鼓の音が一つ木霊した。  ……ぽん、……ぽん。  続く音は各々が違う場所から聞こえてくる。駆け抜けた鬼ヶ島との異様な違いに足を止めると警戒を優先して、周囲を見渡した。左右合計十の桜。音に合わせ舞い散る花びらを浴びる小鬼が、幹の傍らに控えている。  良く見れば、全ての桜に小鬼がいた。  いずれの小鬼も巻纓の冠を被り、小忌衣を石帯で留め、袴を履き小鼓を肩に乗せている。その姿はさながら小さな貴族。またどこかで、ぽんと鳴った。それを皮切りに音の感覚が短くなっていく。侵入者を威嚇するように降り注ぐ音は次第に重なり始め、その微妙なズレが不協和音となった頃、音が止んだ。一拍、ぽんと寸分違わぬ音が鼓膜を叩いた。同時に遥か頭上で何かが砕ける音がして、空を見上げる。暗雲立ち込める空、鬼岩城の天守閣が崩れ落ちるのを見た。  ガラガラと響く落石音。その中に一つ鬼岩城を転がらず、まっすぐ落ちてくる何かがあった。その点は徐々に大きくなるとゴス太衛門の前に落ちた。  ──ぽぽん。  落ちてきた何かを迎えて小鼓がなる。  衝撃で岩肌の地面に亀裂が入り、ゴス太衛門の足を痺れさせた。身の丈、ゴス太衛門の三倍はあろう巨躯。頭は小さく肩幅は狭いが、重力に押し込められる様に下部が太い。両腕は長く地面に触れそうで、反面足は短く体高の三分の一程度しかない。だが、その短い足は太く巨体を確かに支えていた。  一目でわかる。間違いなく鬼ヶ島の頭目だ。  いつの間にやら持ち替えたのか、貴族達は和琴と高麗笛に分かれ緩やかに演奏を始めていた。 「ご機嫌麗しゅう。貴方が鬼達の頭目ですわね。御免あそばせ、させに来ましたわ」 幽鬼の様に上体を緩慢に揺らし、ゴス太衛門を見る瞳はどこか虚ろ。何処と無く妙に感じるも、どうやって頭目を倒すか考える。弱点はやはり巨躯を支える足だろうか。だがその力強い足に有効的な攻撃を与えるのは至難。では発達した下部とは違い脆弱に見える肩より上を狙うべきか。  ──ぽろん。  高麗笛がやみ、和琴だけが自己を主張する。  同時に頭目の声にならない咆哮が大地を揺るがした。反射的にハイカラ日傘を手に取り広げるのと同時に、熱波が吹き付けてきた。日傘の内側に巻き返る空気が肌を焼く。果たして日焼けどめは効果を発揮するのか。後方に跳ね、ふわりと着地すると日傘を振るう。チリチリとした火の粉が舞い散った。  頭目の口からは炎がこぼれ落ちている。  貴族達は演奏に集中しているのか、こちらを襲う素振りすら見せない。その行為は鬼ヶ島についてから、頭目を含め行わない素振り。どこか違和感があった。  不意に頭目は肥大化した両掌を地面に叩きつけると跳躍した。 着地地点はゴス太衛門。あんな物を受けられる訳が無い。未だ火の粉を口から零しながら頭目は落ちてくる。 火の粉を日傘で防ぎながら、ゴス太衛門は前方に走る。 最初よりは幾分マシな振動が足に伝い、振り返って相対した。  頭目は確かに自分を襲ってくるが、どこか虚ろ。  その瞳は濁り、自分を見ない。  ……本当に頭目なのか。 「頭目さん、貴方達は何故海を渡ってまで民草に迷惑をかけるのでしょう?」  返事はない。話さないのか、話せないのか。  海を渡る知恵を持つならば、恐らく簡単な言語や意思の疎通は出来るはず。そも鬼ヶ島において鬼に襲われはしたが、統率感はなかった。ただ侵入者に対して防衛本能から襲ってきたような感触。よもやこの頭目、傀儡か。  ──ピューリロリロリロ。  今度は和琴が鳴りを潜め、高麗笛が台頭した。  短い足を持ち上げて頭目が迫る。その細い肩には無理が見えるも、肥大化した右腕を高く持ち上げ拳を握っていた。流石のハイカラ日傘でも、あんな物を受けては私ごと吹き飛ばされて壊れるのは自明。ゴス太衛門は日傘を閉じて背負い直すと、徒手空拳で頭目を迎えた。 半身になり、少しずつ立ち位置を変えていく。  ゴス婆様直伝、ゴスロリ護身術。  暴力的なまでに丁寧な所作を極めると武術になるらしい。ともすれば、ゴス婆様なら頭目とも正面から打ち合えるかもしれない。しかしながら私は途上、扱えるのは一つのみ。どれだけ自己主張して居場所を教えても、生物には無理な可動域が存在する。相手の攻撃の起点を見極め、無理筋の攻撃を強いる足運び。  ──雉は鳴くとも撃たれ舞。  結果無理筋の攻撃は届かず、私に反撃の隙を与える事になる立ち回りの極意。未だにゴスロリである意味は見えない。  やはりというべきか、どうにも虚ろな頭目は私が僅かに移動している事を気にも留めない。それは戦うことに慣れていないのがわかる挙動。否、不動。振り下ろされる拳は到達速度と質量こそ洒落にならないが、始動が遅い。私が自身の攻撃可能域に居ない事にすら気づかない頭目。避ける必要のない攻撃を回避したフリをして、僅かに横に移動した。  ──試すか。  ゴス太衛門は地面を殴りつけた右腕を、持ち上げるよりも早く飛び乗り駆け上がる。ハイカラ日傘の柄を握り、細工に触れる。引き抜いた柄に日傘はなく、半透明な仕込み刀が現れていた。  仕込み刀、秘剣狗殺し。  ハイカラ爺様が言うには霊子構成がうんたらかんたら。私には理解できない御託を並べてくださったが、要約すると物質は切ることが出来ない。代わりに非物質を切る事が出来るとの事。はっきり言って眉唾ではある。だがゴス太衛門は全幅の信頼を持って、狗殺しを脆弱な右肩めがけて振り下ろした。曰く、呪術を断ち切れると。ハイカラ爺様はいつだって眉唾な事を言うが私には一度も嘘を付いた事がない。  狗殺しは何の抵抗もなく右肩を透過し、切り抜くと同時にゴス太衛門も地面へと降り立つ。演奏が僅かに乱れたのが、今まで流麗な音色だったからこそ際立って聞こえた。後ろを見上げると初めに見た時と同様に上体を揺らしながら、ただ立ち尽くしている。  ──ぽぽん。  ──ぽろん。  ──ピューリロリロリロ。  ──ぽん。  乱れていた音を強引に修正しようとしているのか、様々な音が降る。  小鼓、和琴、高麗笛。不協和音が奏でられ、耳をつんざいた。頭目の影がちらつき、消えた。空気が巻き上がったのを、流れ込んでき風で知る。宙を一瞥して駆け出した。貴族共に効くのだろうか。桜の元まで駆けたゴス太衛門は、自分を見て演奏を止めた小鬼を狗殺しで切り捨てた。が、小鬼は小鼓を手にして逃げる。  後ろからは一つ大きな振動の後、小刻みな振動が響いてきた。振り返れば左腕を持ち上げた頭目が、右腕を不自然に垂らしながら走るように迫っている。小鬼を追うより早く、腕が横薙ぎに振るわれた。瞬間的に無理筋を見極めるも完璧には程遠い。身を屈める事でギリギリ回避する事ができた。後方で桜の幹が折れる音を聞く。同時に篝火が一つ消えた。  恐らくこれは音を媒介にした呪術による操作。  狗殺しで切った右肩から下が動かなくなったのが根拠の一つ。頭目が虚ろで自分を見ていないのは操られているからとすれば、道理も通る。雅楽の音で誤魔化されていたが、頭目は一度も声を発していない。そも、雅楽の音以外は聞こえていないのだろう。  ──見ざる、言わざる、聞かざる。  なるほど、これは猿葬階。  複数の音階を連ねる事で対象を洗脳し、操る呪術。傀儡の頭目を無力化しても根本の解決にはならない。つまりは、鬼ヶ島を統べているのは十の貴族。だが、今の自分では倒す手立てがない。  流石に小鬼とて鬼。自分の力だけでは殴殺できまい。再度、駆け出し頭目から距離を取る。狗殺しが効かなかったのを見ていたのか、貴族共は優雅に演奏を再開していた。その演奏は少し欠けて聞こえた。  少しばかり停滞後に頭目は再起動する。  頭目の巨躯に目を奪われ気付かなかったが、折れた桜は枯れていた。  ──よもや? よもやよもや。 絡繰が見えてきた。頭目との距離を保ちつつ、どこかへ逃げた子鬼を探す。響く足音で距離を測り、視線は桜並木を駆け抜けた。綺羅びやかな音色の裏、貴族の後ろで倒れ伏す小鬼。小鼓が転がり、貴族の足元に落ちているが気にも止めない。 なるほど、この咲き乱れる桜も幻想か。 合点がいく。こんな岩しかない場所に咲き乱れる桜、幻想的な世界に住む貴族。小鬼程度の知識で奏でられる貴族の庭。操られる頭目。 頭目は口から炎を吐き出した。 仕込み刀を手に持つ現状、傘は開けない。 全力で横に飛び、地面を転がる。 そのまま立ち上がると、もう頭目を見ることも無く狗殺しで桜を切った。 ぎぃ、と短く貴族は鳴いた。 同時に篝火も一つ消える。 呪術の根幹は幻想的な夜桜。 あまりに堂々とした桜は切られたそばから枯れ果てた。 演奏は止まないが、音が一つ消えた。 頭目を相手にする必要はない。 鬼ヶ島は桜と貴族に支配されていた。 動かない桜を切り捨てるゴス太衛門と、追う頭目。 雅な雅楽は次第に音が減り、終演を仄めかしていた。 切り捨てられる桜を見捨て、必死に演奏する様は貴族が戦えない事を示していた。 だからこそ、数が減って尚演奏は止めずに頭目を操る。 折れた桜と合わせて6本の桜が枯れた。 残りの桜を守る様に頭目はゴス太衛門の前に立ち、動かない。 音こそ減ったが逼迫した演奏は、より迫力を増す。 ゴス太衛門は頭目を迂回することに決め、駆け出す。 頭目さえやり過ごせば、全てが終わるのだ。 無為に身を危険に晒す必要はない。 ゴス太衛門を追い向きを変えていく頭目、だが遅い。 炎にしても予備動作が長く、ゴス太衛門の方が早かった。 ーー7本目の桜を切る、音が減った。 ーー8本目の桜を切った。空気が頭目に流れるのを感じた。 ーー9本目の桜を切ろうとして、貴族が飛びかかる。 予想していなかった反応に遅れをとるも小鬼。 ここまで来れば意地で押し通し、桜と共に切り捨てた。 ーー最後の桜、貴族はいない。……否。 演奏を終えた貴族は隠れた桜の幹から飛び出すと、ゴス太衛門の足にぶつかる。不意の衝撃に負け体勢を崩し、後ろからは炎を伴う熱波が迫った。 小鬼の捨て身は、何かに執着しているように見えた。 体を支える足が踏み出せない。 桜に犬殺しは届かない。 ……ここで死ね。 小鬼が笑ったように見えた。 その言葉は、今まで聞いた言葉にはなく、呪詛と呼ぶのも悍ましい程の怨嗟に満ちている。 ゴス太衛門は最後の桜と共に、最後の貴族と共に頭目の炎に焼かれた。

遥か昔、流刑地であった島。 ある時、十の貴族が流された。 岩肌しかない無骨さは、強引に自分達の庭を想起する。 あぁ、何故こうなった。 我らは貴族、斯様な場所にそぐわない。 帝はどこだ、雅楽はどこだ、桜はどこだ。 死の間際まで焦がれた思いは死後に成す。 歪んだ怨嗟は鬼を生み、 貴族の遺体は桜の下で呪詛を咏む。 あぁ、我らの願いは聞き届けられた。 その姿は生前と似た衣と馴染んだ雅楽に囲まれていた。 しかし、姿はあまりに脆い。 帝の庇護を求めた呪いは歪な大鬼を生み出した。 生まれた大鬼は雅楽で踊る。 弱い自分を守る盾。 どこか自我を感じるも、雅楽を聞けば意のままに。 長い時間は小鬼を生んだ。 生んでも薄れぬ怨嗟は小鬼を生んだ。 知恵のない小鬼に船を与えた。 与えた船は流刑地を目指す。 我らを咎めた世界こそ罪。 外界全ては流刑地に他ならない。 ここに我らの理想郷。 大鬼は我らを守り、我らは雅楽を嗜み桜を愛でる。 誰も我らを咎めない。 我らは雅楽と桜と永遠に。

──あぁ、御爺様。御婆様。先立つ不幸を……。