エリオットと戦闘後、遺物を回収して自分の工房に保管したあとの話 その辺を歩いてる時にストーカーに見つかる 「待ってください!!」 「えぇ? 嫌だよ」 レンキスは後ろを振り返り一瞥はするも足は止めない。声だけでも誰かは判断できていたが、反射的に振り返ってしまっただけである。魔王討伐以来つきまとい始めた聖職者には辟易としていたが、だからといって逃げるのも癪に障る。結果、出会わなかった時と変わらない行動をするのが常となっていた。それを後ろから追いかけて来る聖職者も慣れた足取りである。 「もぅ、待ってくださいよ」 近くまで追い付いた聖職者は、ふぅと一息をついて速度を落とす。それでも早足気味に歩いて対象との距離を確実に縮めていた。 「レンキスさん、聞いてます?」 「聞いてないよ」 「お師匠様ー」 「弟子を取った覚えもないよ」 「取らされただけなので、取った覚えはないかと」 「いらない物を取らさせないでくれるかな」 「まぁまぁ、良いじゃないですか。こんなに可愛らしい弟子はいませんよ?」 ようやく横に並んだ聖職者はレンキスの歩調に合わせ、歩く速度を落とした。 「僕に構うだけ時間の無駄だよ。君に何かを教えるつもりもないし」 「そうは言っても私のこと避けませんよね?」 「避けてるんだけど、何か見つかるんだよなぁ」 ここ数ヶ月、何度も彼女を巻いているのにも関わらず何故か気づけば見つかっている。見つかるというよりは自分の行く先に彼女が現れているという気さえした。そんなぼやきに彼女は小さく笑う。 「ふふっ、そういう事にしておいてあげますよ。お師匠様」 今回彼女に見つかったのは勇者から遺物を譲り受けた帰りの事であった。やはり彼女も勇者に対する情報が欠落していた。 「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」